くも膜下出血・脳動脈瘤・脳卒中。くも膜下出血のほとんどの原因は脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)で何の前ぶれもなく突然おそいかかってくる病気です。脳卒中の中でも最も死亡率が高い病気です。クリッピング手術、コイル塞栓術、経過観察
■脳卒中(のうそっちゅう)について
脳卒中とは、脳の血管が詰まることで起こる脳硬塞や突然血管が破れて発生してしまう脳内出血やくも膜下出血のことです。
どれもが突然死につながる恐ろしい病気です。
その死亡者数は年間約13万人とされ、およそ4分に1人が脳卒中で亡くなっています。
その中でも最も死亡率が高いのがくも膜下出血です。
たとえ一命をとりとめたとしても麻痺など何らかの後遺症が残ってしまうことも多い恐ろしい病気です。
■くも膜下出血(くもまっかしゅっけつ)について
何の前ぶれもなく突然おそいかかってくる くも膜下出血。
くも膜下出血の特徴は、激しい頭痛や嘔吐などの症状を突然発症するということです。
実際くも膜下出血を経験した人の中には発症した正確な時間までも覚えている人もいるそうです。
くも膜下出血のほとんどの原因は脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)です。
■脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)について
脳動脈瘤とは脳の血管の分かれ目に出来る風船のように膨らんだ瘤(こぶ)のことです。
くも膜下出血の多くはこの脳動脈瘤が突然破裂することによって発症します。
そもそも血管のカベは内膜・中膜・外膜の3層構造になっています。
通常この3層の間には弾性板といわれる血管の弾力を支えるクッションがあり、血圧から血管を守ってくれます。
しかし脳の血管にはこのクッションが1つしかないため血圧の影響を受けやすく、その結果動 脳動脈瘤が出来やすくなっています。
■脳動脈瘤の自覚症状
・物が二重に見える
・まぶたが落ちる
・激しい頭痛
・めまい
・飲み込みにくい等
脳動脈瘤の自覚症状の場合、両目で見たとき物が二重に見えても片目をふさぐと1つに見えるのが特徴です。
片目で見ても両目で見ても二重に見える場合は脳ではなく、乱視など目の病気の可能性が高いようです。
■脳動脈瘤危険度チェック
・40歳以上である
・血圧が高めである
・頭痛持ちである
・2親等以内に、くも膜下出血になった人がいる
2つ以上当てはまれば脳動脈瘤がある可能性があります。
■脳ドック
脳ドックとは磁気によって体の内部を見る器械で、自覚症状のない脳疾患をいち早く発見できる検査のことです。
●MRI検査
MRI検査では脳の断面を撮影して脳硬塞などを調べることができます。
●MRA検査
MRA検査では血管を撮影して脳動脈瘤などの血管障害を調べることが出来ます。
■脳ドック学会推奨の脳動脈瘤の大きさ
5mm以下の脳動脈瘤は様子を見る。
■脳動脈瘤の治療法
●クリッピング手術
クリッピング手術とは、脳動脈瘤を直接外側から特殊なクリップでつまんで破裂させないようにする治療法です。
●コイル塞栓術
コイル塞栓術とは、足の付け根の血管から脳の動脈瘤までカテーテルという特殊な管を通しプラチナ製のコイルで内側から埋める治療法です。
■脳動脈瘤見つかったら
もしも脳動脈瘤が見つかってしまったら、選択肢は3つあります。
クリッピング手術、コイル塞栓術、経過観察になります。
医師がすすめる治療法が納得できないときには手術方法が違う医師にセカンドオピニオンとして行くのが良いとのことです。