急性大動脈解離(きゅうせいだいどうみゃくかいり)!急性大動脈解離の発見にはCT検査が大変有効です。高血圧や強いストレスも一要因。バランスのとれた食生活、適度な運動、ストレスを溜めないことも大切
■急性大動脈解離(きゅうせいだいどうみゃくかいり)について
急性大動脈解離(きゅうせいだいどうみゃくかいり)は心臓から全身へ血液を送る最も太い血管大動脈の中のカベが、ある日突然裂けてしまう病気。
大動脈の血管のカベは、外膜・中膜・内膜の3層の膜に分かれています。
その内側の膜に何らかの原因で裂け目が出来、膜の中に血液がいっきに入り込むことで内膜と外膜を引き裂いてしまいます。
このとき薄皮一枚で状態で、いつ血管が破裂してもおかしくない危険な状態です。
発症の際には体の中を引き裂かれるような激痛に襲われ、そのまま血管が破れればそく死に至るという恐ろしい病気です。
その死亡率は発症から24時間以内で93%にもなるそうです。
日本では年間1万1千人が発症し、治療を受けられるのはわずか4000千人ほどで、6割以上もの人が病院に着く前に亡くなっています。
しかも現在その原因は完全には解明されていません。
■大動脈解離と高熱
大動脈解離により血管が裂けると、その裂けた部分を体は治そうとするため細胞の働きが活発になります。
その結果、高熱が出てしまいます。
■急性大動脈解離の診断の難しさ
急性大動脈解離の恐ろしさは、その症状が様々なことにあります。
痛みが移動したり痛みが治まってしまうこともあるので急性大動脈解離の診断は難しく、そのため対応が遅れてしまいがちな病気でもあります。
急性大動脈解離が比較的見たら分かる病気でもあるので、CTを撮って診断できれば手術で7割8割は助かるそうです。
■急性大動脈解離で様々な部分に症状があらわれる原因
体の様々な部分に障害が起きてしまうのは、大動脈が裂けてしまうと枝分かれした血管に血液が送られなくなるためです。
脳につながる血管に血液が流れなくなれば失神や記憶障害などを起こし、足につながる血管に血液が流れなくなれば足に激痛を引き起こします。
様々な場所に影響が出てきます。
■急性大動脈解離の患者さんが感じた症状
・背中の激痛
・胸の激痛
・気絶、意識障害
・呼吸困難
・足の激痛、足のしびれ
■急性大動脈解離の手術の際に使われる人工血管
超極細ポリエステルから作られているもので、人体に影響はなく耐久性は20年以上。
■病状を医師にはっきり伝える
もし突然、経験したことがないほどの激痛をを感じたり、その痛みが移動または痛みがなくなるなどした場合、その症状を医師にはっきり伝えることが重要です。
本人が話せない場合でも、周りにいた人がそのときの症状を医師に説明出来れば、診断のときに大きな助けとなります。
またCT検査は大動脈解離の発見に大変有効であることを知っておくことも良いです。
■急性大動脈解離は高血圧やストレスに注意
現代の医学では確実な予防法がないと言われる急性大動脈解離。
患者さんからのアンケート統計からは高血圧や強いストレスを受けている人に多いそうです。
急性大動脈解離には高血圧予防が大切です。
日頃から自分の血圧を知っておくことも必要です。
さらにはバランスのとれた食生活、適度な運動、ストレスを溜めないことも大切です。