足のむくみ予防!深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、エコノミークラス症候群!

足のむくみ予防!深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、エコノミークラス症候群、ミルキング・アクション!血液は流れていると固まりにくく、滞ると固まりやすい。できるだけ水分を摂取し、ふくらはぎの筋肉を動かしましょう

■足のむくみチェック
足のむこうずねを出します。
すねの骨の内側を少し痛みを感じるくらい強めに5秒間押します。
指を離した時、できた窪みがなかなか戻らないとむくんでいるとされます。

■深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)とむくみ
深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)とは、足の筋肉の間をはしる深部静脈と呼ばれる太い血管に血栓ができる病です。
その血栓によって血管が塞がれ血液の流れが滞ります。
すると溜まった血液から水分が血管の外へと染み出すことになります。
これが足のむくみの原因となります。
この血栓が何らかの衝撃によって剥がれ飛び肺の血管に詰まると、血流が止まり動悸や呼吸困難、ひいては最悪の場合には死を招くこともあります。

■足に血栓ができる原因
長時間同じ姿勢で動かない生活習慣が血栓ができる大きなリスクになります。

■エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)
エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)とは、血栓が肺に飛んで肺の動脈に詰まり呼吸困難等を引き起こす病です。
数時間の飛行機移動でも大きな血栓ができることがあります。
あまり動かず、水分の不足しがちな状況では、エコノミークラス症候群の危険性があるため注意が必要です。

■血液と血栓
血液にはもともと固まる性質があります。
血液は流れていると固まりにくく、滞ると固まりやすくなります。
呼吸やわずかな動作でも血液は流れています。
寝ている時の血流は、立っている時より速く流れています。
立つと重力の影響で血流が滞りやすくなります。
寝ている時の深部静脈は直径5.8mmで秒速33.9cmほどになり、立つと深部静脈は直径10.3mmと太くなり秒速13.4cmほどと、約1/3ほどになってしまいます。
つまり立つと足の静脈は太くなり血流も遅くなるため、血液が固まりやすくなってしまいます。
また肥満や妊娠でも静脈が圧迫され血液が固まりやすくなります。

■深部静脈血栓症のむくみの特徴
普通の足のむくみは両足に起きますが、深部静脈血栓症のむくみは突然片足だけがむくみます。
また深部静脈血栓症のむくみは押さえると痛みが生じます。

■ヒラメ筋静脈と血栓
足の血管のなかでもヒラメ筋静脈と呼ばれる血管が特に血栓が出来やすいと言われています。
普段から立ち仕事やじっとしている機会が多いと、血流が滞りやすく血管が太くなるため血栓ができやすくなります。
ヒラメ筋静脈の標準的太さは、15分以上安静にした時で直径4.5〜7.9mmで、10mm以上になると異常とされています。

■下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)
むくみを引き起こす、もう一つの静脈の病が下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)です。
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは、皮膚のすぐ下を走る表在静脈(ひょうざいじょうみゃく)と呼ばれる血管が壊れることで血液が逆流して溜まる病です。
溜まった部分がコブとなり浮き上がって見えます。
命の危険はないものの、足の重だるさやこむら返りなど不快な症状に悩まされたり、皮膚の炎症や潰瘍(かいよう)が出来てしまうこともあります。
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は特に高齢者に多く、推定患者数は1000万人とも言われています。
静脈には逆流を防ぐ弁がありますが、立ち仕事等で絶えず血管に圧力がかかっていると壊れやすくなってしまいます。

■下肢静脈瘤の危険因子
・立ち仕事
・妊娠
・出産
・肥満
・遺伝

■レーザー治療(下肢静脈瘤の治療)
レーザーで表在静脈の血管を焼き血液が流れないようにします。
表在静脈を塞いでも血液は深部静脈を通って流れます。
表在静脈は基本的になくてもよいそうです。

■硬化治療(下肢静脈瘤の治療)
血液を薬で固めて血管を塞ぎます。

■医療用の弾性ストッキング(むくみ予防)
静脈を締めつけ血流が滞りにくくなります。

■ミルキング・アクション(むくみ予防)
ミルキング・アクションとは「つま先を上げ、つま先立ち」を繰り返す運動です。
ふくらはぎの筋肉が収縮すると静脈の血流がアップしむくみ予防につながります。
つま先を上げ、つま先立ちを1時間に1回ぐらい行います。

■危険なむくみ予防法
・できるだけ水分を摂る
 水分を十分に摂らないと脱水状態になり血栓が出来やすくなります。
・ふくらはぎの筋肉を動かす