関節リウマチ!リウマチ結節、遺伝子解析検査!

関節リウマチ!リウマチ結節、遺伝子解析検査。加齢による関節症の場合、動かしている時や動かした後に痛みが強く出ます。朝起きたとき関節に痛みや違和感が出るようなら関節リウマチの疑いがあります

■関節リウマチ
関節リウマチは免疫異常によって発病する病です。
本来私達が持つ免疫細胞は、血液に乗って全身をパトロールしています。
ウイルスや細菌などの外敵を見つけると攻撃しこれを排除します。
しかしその免疫細胞が何らかの理由で異常をきたし、自分の身体の組織を攻撃してしまいます。
それが関節で起こり、激しい炎症を引き起こすのが関節リウマチです。
関節リウマチの患者数は現在も増加傾向にあり、全国におよそ70万人いるとされています。
その男女比は1:4と圧倒的に女性に多い病です。
しかもリウマチは早期発見が難しく、発病から2〜3年というスピードで手や足が変形し元に戻らなくなってしまうこともあります。
若い人でも発症し、具体的には40歳代が発症のピークが多く、40代50代の女性に多いそうです。

■関節リウマチの名医(2011年3月時点)
慶応義塾大学 医学部 リウマチ内科 教授
竹内勤(たけうちつとむ)先生

■関節リウマチが早期発見できない理由
ちょっとしたケガや日常しないような動作等をしたため痛みが出たと思ってしまうため、関節リウマチを早期に気付けないためとされています。
重大な病気だと思わないで見逃してしまうことが多いそうです。
早期には痛みだけで変形は目立ちません。
発症して数年後に変形するため、気付いた時には関節が壊れていることも多くあります。

■関節について
関節は骨同士をつなぎ、円滑に動かすクッションの働きをしています。
その周りに滑膜(かつまく)という膜があり、その中に関節液を溜めています。
関節リウマチは滑膜のところに免疫の細胞が集まってきて炎症を起こします。
本来免疫は細菌やウイルスを退治してしまえばいなくなりますが、滑膜に長くい続けてしまいます。
すると滑膜がヒダの様に腫れ厚くなってしまいます。
滑膜から大量の発痛物質が出て関節の神経を刺激し痛みが生じます。

■関節リウマチと骨粗しょう症
滑膜から出てくるのは発痛物質だけではありません。
何と骨をスカスカにする物資も放出され、骨粗しょう症になる危険性も増します。
さらに進行すると折れやすくなってしまうだけでなく、関節が破壊され骨同士がつながってしまうこともあります。
本来の関節の構造ではなくなってしまいます。
変形した関節は元に戻せないため、人工関節等を使うことになるそうです。
関節を変形させないために早期発見・治癒が重要になります。
関節リウマチを起こす場所としては指の関節が多く、約90%にもなります。

■関節リウマチで障害される関節の部位
1:手の指   91%
2:手首    78%
3:肩     65%
4:ひざ    64%
5:頚椎・足首 50%
6:足の指   43%
7:ひじ    38%
8:股(関節) 17%
9:あご    8%
  顎関節がリウマチになると咀嚼(そしゃく)や会話に支障がでます。

■関節リウマチを起こす要因
遺伝 3割
環境 7割 (感染症、ケガ、妊娠、出産、肉体的なストレス)

■なぜ女性がなりやすいのか?
女性ホルモンの何らかの変化が免疫の異常を引き起こすと考えられています。

■関節症と関節リウマチの違い
●痛み・違和感が出る関節の場所

加齢による関節症の場合、主に第1関節に痛みが出るのが特徴です。
関節リウマチの場合、第1関節でも発症しますが、第2関節・第3関節も痛むようなら関節リウマチの疑いがあります。
●痛み・違和感の出るタイミング
加齢による関節症の場合、動かしている時や動かした後に痛みが強く出ます。
関節リウマチの場合、朝起きたときなど、動かし始めに痛みが強く出ます。
朝起きたとき関節に痛みや違和感が出るようなら関節リウマチの疑いがあります。
●関節の腫れ方
加齢による関節症の場合、関節を触ると硬く感じます。
関節リウマチの場合、触るとブヨブヨした弾力があります。

■リウマチ結節
関節リウマチは関節以外にも症状が出ます。
皮膚や関節にコブのようなものが出来る“リウマチ結節”があります。
またリウマチ結節は、肺や心臓の表面に出来る事もあります。

■関節リウマチの治療法
関節リウマチを調べるにはリウマチ専門医による血液検査・画像検査等を受けることになります。
薬の服用・点滴による治療法。
全国におよそ4300名いるリウマチ専門医が投薬による効果的な治療を行っています。
リウマチ薬は体質により効き目の個人差が大きいのが特徴です。
そのためいくつかある薬を、効き目がある薬が見つかる順番に試していくしかないそうです。
一つの薬の効果が分かるのに最低3ケ月飲み続けないといけません。
例え治療が遅れた患者さんでも、最適な治療さえ見つかれば病の進行を止め、痛みのない生活を送ることが可能だそうです。

■遺伝子解析検査
関節リウマチに関わっている遺伝子は300ほどありますが、遺伝子発現パターンを使って薬の有効性を予測し治療するそうです。