不整脈!心房細動、心室細動、頻脈性・除脈性不整脈、AEDの使い方!

不整脈!心房細動、心室細動、AEDの使い方!頻脈性不整脈は脈が速いため激しい動悸や胸の痛み、さらには吐き気や冷や汗なども引き起こす。除脈性不整脈は脈が遅いため、めまいや失神、息切れを引き起こす

■不整脈
重さ約270gの心臓は、1日なんと10万回も拍動し、実に8tもの血液を全身の送り出しています。
しかし突然起こる激しい動悸、わずかな動きにともなう息切れ、そして時に感じる胸の違和感、これらの多くの症状は心臓の拍動の乱れ、つまり不整脈が原因となっています。
不整脈は拍動の速度やタイミングなどによって様々なタイプに分けられます。
中でも急激に増加しているのが「心房細動(しんぼうさいどう)」と呼ばれる不整脈です。
また年間6万人もが命を落とす突然死も、その原因は「心室細動(しんしつさいどう)」という不整脈とされています。
心臓は血液を身体に送る、言わばポンプの役割を果たしています。
正常な心臓の拍動は、1分間に60回〜70回。
不整脈は拍動の速さやリズムによって分かれます。

■頻脈性不整脈(ひんみゃくせいふせいみゃく)
 ・強い動悸
 ・脈が速い
脈が速い頻脈性不整脈(ひんみゃくせいふせいみゃく)の心拍数は1分間に100回以上。
そのため激しい動悸や胸の痛み、さらには吐き気や冷や汗なども引き起こします。

■除脈性不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)
 ・脈が遅い
 ・拍動の間隔があく
除脈性不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)は1分間の心拍数が50回以下。
拍動の間隔が大きくなるため、心拍数が少なくなります。
そのため全身に血液を送れず、めまいや失神、息切れを引き起こします。

■期外収縮(きがいしゅうしゅく)
拍動のタイミングがずれるのが期外収縮です。
実は健康な人でも起こるこの期外収縮(きがいしゅうしゅく)は、胸の不快感や痛みが起こります。

■心臓のメカニズム
心臓は上から右心房、左心房、下は右心室、左心室と分かれています。
心臓は心臓内で発生した電気信号によって拍動が起こっています。
心房細動は電気信号に乱れが生じて起こります。
電気信号は洞結節(どうけっせつ)と呼ばれる部分で発生し心房に伝わります。
すると心房が収縮し血液を心室へと送ります。
さらに電気信号が心室に伝わると心室が収縮し全身に血液を送り出します。
この電気信号が一定のリズムで発生するため、健康な心臓は規則正しく拍動しています。

■心房細動
心房細動は電気信号の乱れにより起こります。
心房細動では1分間に400回〜600回心房が収縮するため、細かくけいれんを繰り返したような状態になってしまいます。

●心房細動の病状
 ・不規則な脈により強い動悸が出る。
 ・ポンプ機能が低下し、筋力低下、失神、息切れがする。
 ・心房内の血液によどみが生じ血栓ができる。
心房内の血液の流れが悪くなりよどみが生じるため、血液のかたまりである血栓が出来やすくなってしまいます。 この血栓は血液の流れに乗り脳へと運ばれていきます。
すると結果的に脳硬塞を起こしたり、心臓以外の致命的な症状を起こしてしまいます。
心房細動を患うと脳硬塞の発症率が6〜7倍も高くなると言われています。
心房細動は心臓の機能が低下するだけでなく、命をも脅かす恐ろしい病です。
一番最初に「発作性心房細動」が起こり、数分から数時間で終る場合が多いですが、そのうちに慢性化して「慢性心房細動」となり、心房細動が止まらないという状態になることが多いそうです。
心房細動は加齢による心臓の機能低下などで年齢とともに急激に増加するそうです。
心臓病や高血圧などが心房細動を引き起こす要因と考えられています。

■心室細動
心臓が原因の突然死は年間6万人以上。
この大半が心室細動によるものと言われています。
心室細動になると、細かくふるえているだけで血液を送り出す働きがほとんどなくなってしまいます。
このふるえの原因は、心房細動と同じく電気信号の乱れです。
心室の筋肉がけいれんし、全身に血液を送るポンプ機能が失われてしまいます。
その結果、脳への血液が止まり意識を失い、脳死や心停止に至ります。

■心室細動とAED
心室細動のけいれんを取り除いてくれるのがAED(自動体外式除細動器)です。
実は倒れてから1分経つごとに救命率は10%ずつ下がるため、迅速な救命活動が必要です。
3分くらいで脳に致命的な変化が起き、6分で半分ぐらいの人が助からないとされています。
AEDを使用すると、1ヶ月の生存率は4倍にもなるそうです。
健康な人でも心室細動になる可能性があるそうです。

■AEDの使い方
まず意識の有無を確認します。
意識がない場合はすぐに救急車とAEDを手配しましょう。
AEDが届いたらすぐに電源を入れて音声ガイドに従って操作します。
AEDのパッドは肌に直接貼るため、倒れた人の衣服を脱がせます。
続いてケースから胸に貼るパッドを取り出し、印刷されているイラストのように貼ります。
これで自動的に心電図の解析がスタートします。 音声に従って倒れた人から離れます。
電気ショックが必要な場合を音声に従ってショックボタンを押します。
指示通りに心肺蘇生を行います。