ハンガー反射でこめかみを刺激すると肩こり解消につながる。ドーパミンと脳の誤作動。身体の傾き
■肩こりについて
肩こりとは、僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる首から肩にかけての筋肉がしなやかさを失い硬くなることで痛みを発する状態をいいます。
肩こりの主な原因は、長時間のデスクワーク、運動不足、目の酷使などといわれています。
■脳の誤作動が肩こりの原因
脳が誤作動を起こしてそれが原因で肩こりになる人は、何らかの身体の傾きがあることが特徴となっています。
●神経伝達物質ドーパミンと身体の傾き
様々な役割りをもつドーパミンですが、最も重要なのが筋肉を動かす指令を出すという働きです。
腕を上げるなど私達が筋肉を動かす場合、まず脳からドーパミンが分泌されます。
するとそれが引き金となって信号が送られ筋肉が収縮します。
その結果、腕を上げることができます。
このように全身の筋肉の動きをコントロールしているのがドーパミンになります。
しかしある原因で脳の誤作動が起こると、必要もないのにドーパミンが常に分泌されてしまいます。
すると筋肉の収縮を命じる信号が肩や首の筋肉に送られっぱなしとなり、収縮・緊張状態が続くことになります。
その結果、身体が傾き、慢性的な肩こりになると考えられています。
■日常生活の悪きクセが脳の誤作動を生む
普段の生活で無意識に行っている悪いクセが脳の誤作動を誘発し、身体が傾き肩こりになると考えられています。
●肩こりを生む悪いクセ
・左右どちらかを向いていることが多い
・同じ側ばかりでバックなどを持つ
■脳の誤作動による肩こり解消法
●ハンガーを頭にかぶり肩こり解消
ワイヤーで出来たハンガーを用意します。
ハンガーの下側の平らな部分を少し内側にへこませます。
首が向きづらい側のこめかみに、ハンガーのへこんだ部分が当たるようにハンガーをかぶります。
こめかみは眉毛と髪の生え際の間の少しへこんだ部分になります。
こめかみにハンガーのへこみを当てるコツは、少し斜めにかぶることです。
上手くかぶれたら目を閉じてリラックスします。
すると自然に首が傾き、同時に筋肉の緊張も治ってきます。
反対側も同様に行います。
●ハンガー反射
人間の頭は胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)という筋肉が左右にあり頭を支えています。
こめかみを刺激すると、刺激した側の胸鎖乳突筋が緩み、刺激された側に回旋します。
ハンガーを頭にかぶり肩こりを解消する方法は、ハンガー反射を利用することで脳の誤作動を治していくという治療法です。
この治療法を繰り返すと次第に脳の誤作動が治まり、普段の首の位置よりも真っ直ぐな状態になっていきます。
やがてしつこい肩こり全体が治まっていきます。
1回につき10分ほど、朝と晩に1回ずつ行うと肩こり解消に効果的です。
●昼寝で脳の誤作動による肩こり解消
昼間わずか15分間眠るだけで脳が休まり、ドーパミンの異常分泌が減少します。
その結果、僧帽筋の緊張が和らいで肩こり解消につながります。
■肩こり治療の名医(2015年7月時点)
川崎市立多摩病院 神経内科 部長
堀内 正浩(ほりうち まさひろ)先生
厚生労働省研究班の1人として肩などの筋肉の異常を研究するなど、肩こり治療の最前線で活躍し、神経内科の立場から肩こりに悩む多くの患者を救ってきた肩こり治療の名医です。
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