正しい水分補給のポイント、軟水と硬水の違い、飲むタイミング、飲む量、筋肉量と体内の水分量

■臓器のほとんどは水でできている
臓器のほとんどは水でできているため、水分が足りなくなると臓器の機能低下が起こる危険性が高くなります。
脳の75%、筋肉の75%、心臓の80%が水分でできているといわれています。
脳が脱水すると記憶力にも関係してきます。
記憶に関わる脳の神経細胞が水分不足になるとうまく働かなくなり記憶力や判断力の低下を招きます。
さらに慢性的に水分不足になると血液もうまく流れなくなり脳の神経細胞に酸素や栄養が行き届かなくなり、認知症に近い症状が出ることもあります。
脳の水分が減れば認知症の危険性がアップし、筋肉の水分が減ればつまずきの危険性がアップするといわれています。

■水分不足による体の不調
・記憶力の低下
・肌のシワ
・肥満
・つまずき

■72時間の壁
人間が飲まず食わずで生き延びられるといわれる時間のことをいいます。
人間が水をとらずに生きるためいろいろな働きをするのは3日が限度といわれています。
人間が生きるためにいろんな物を作るといらない物も出てきます。
このいらない物を排泄するには尿や汗が必要になります。
水分不足になると老廃物や毒素を排出できなくなり、身体に影響を与えて尿毒症などが起こり死に至ることもあります。

■水分不足は心筋梗塞・脳梗塞の危険性がアップ
人間の血液は90%近くが水分で、残りの10%くらいが赤血球や白血球などの固体になります。
そのため水分が足りなくなると固体成分が固まりやすくなって血栓が出来やすくなります。
この血栓が血管に詰まることによって心筋梗塞や脳梗塞が起こりやすくなります。
普段からあまり水を飲まない人は血管の中の水分が不足し血栓が出来やすくなります。
その結果、心筋梗塞や脳梗塞などの血管の病気のリスクがアップしてしまいます。

■1日に必要な水分量
体重50kgの人が1日に必要な水分量は1.5L(ペットボトル3本)ほどになります。
自分の体重×30ml=1日に最低限必要な水分量

■水分の摂り過ぎに注意
体内の中には塩分やミネラルも入っています。
そのため水分を摂り過ぎると塩分が薄まってしまい低ナトリウム血症が起こり水中毒になる危険性があります。
軽度だと頭痛や疲労、重症になると吐き気、けいれん、呼吸困難などが起こります。
体重や気温により異なりますが、1日3〜4Lが目安になります。

■寝起きのコップ1杯の水分補給
寝ている間は汗をかいているので寝起きの水分補給が大切になります。
個人差がありますが、睡眠中は約500mlくらいの水分が失われているといわれています。
朝起きたときはコップ1杯の水分補給が大切になります。
一気に500mlほど飲むと胃腸の負担になってしまいます。
一度に人間が吸収できる水分は200mlほどでコップ1杯程度になります。
寝ている間に失われた水分を取り戻すには、コップ1杯程度の水を1〜2時間おきくらいに飲むとよいそうです。
水分はゆっくり飲むことも大切で、一気に飲むといきなり水分が増えてくるので胃腸の負担となってしまいます。

■水分は呼吸でも失われている
1日で失われる水分量は2.6Lほどといわれ、このうち吐く息だけで約400ml失われているといわれています。
そのため家で過していても水分補給が大事になります。

■軟水(なんすい)と硬水(こうすい)の違い
軟水(なんすい)と硬水(こうすい)の違いはカルシウムやマグネシウムのミネラルの含有量の違いにあります。
軟水(なんすい)はカルシウムやマグネシウムの含有量が少なく、日本の国産のミネラルウォーターに多い水です。
硬水(こうすい)はカルシウムやマグネシウムの含有量が多く、海外のミネラルウォーターに多い水です。

●硬水は夏太り対策に良い
硬水に多く含まれるカルシウムやマグネシウムが脂肪の蓄積を抑えてくれます。
カルシウムが胆汁の働きを弱めて腸内で脂肪の吸収を抑えてくれます。
マグネシウムが腸を刺激して便通を良くしてくれます。
硬水は食べる前か食べながら飲むとよいそうです。

●軟水は熱中症対策に良い
硬水はミネラルが多いので水の吸収を妨げる場合もあります。
水とマグネシウムが結合すると水分の吸収がされにくくなります。

■炭酸水は胃腸の消化吸収を良くする
炭酸水が胃腸に刺激を与えて働きを活発にしてくれます。
また炭酸水に含まれる二酸化炭素が胃の血流の流れをアップしてくれます。
ただし胃の調子が悪い人は強炭酸は控えた方がよいです。

■夏場の水分補給には冷水が良い
気温が高い夏場の熱中症対策には冷水が良いそうです。
夏場の水分補給は5〜15℃が理想とされています。
温かい水と比べて冷たい水は胃腸への刺激があり、この刺激が胃腸を活発にして吸収率が良くなります。
水温10℃の水分補給が脱水症状を起こしにくくするという研究報告もあります。
体が暑いと感じている時は冷水での水分補給が理想とされています。
ただし秋や冬など気温が低い時は体が冷えすぎないように白湯が理想になります。

■水分補給には水が良い
水分補給には水が良く、お茶などにはカフェインが含まれていて利尿作用により排出されやすくなってしまいます。
ただし、麦茶やほうじ茶などのカフェインが少ないものは水分補給にも適しています。

■筋肉量の減少が体の水分量を減らす
歳をとると体内の水分量は減っていきます。
そのひとつの原因となっているのが筋肉量の減少です。
筋肉には水分が約75%も含まれているので筋肉が減ると全身の水分も減ってしまいます。
さらには様々な機能が低下する可能性もあります。
肉や魚のタンパク質もしっかり摂って筋肉量を維持することも大事になります。

■入浴時の水分補給は入浴前が良い
入浴時の水分補給は入浴前が良いそうです。
入浴中は汗をかくので入浴中の水分不足を避けるためには入浴前にしっかり補給することが大切になります。
入浴後の水分補給も大事になります。

■就寝30分前の水分補給が良い
就寝時の水分補給は就寝30分前が良いそうです。
水を飲んですぐには体が吸収しきれないので少し余裕をもって水分をとってから全身に水分を行き渡らせて寝ることが大切になります。
寝ている間は腎臓の働きも弱まりので水分を尿にする働きも弱まります。
そのため安心して水分をとってから寝た方がよいそうです。
就寝30分前にコップ1〜2杯飲んで寝るのが良いそうです。