腰痛の原因を知って適切な対処をすれば腰痛の90%は自分で改善することができると考えられています。
■腰部脊柱管狭窄症・身体を後ろに反らすと痛む腰痛
朝起きた時に身体を反らすと痛みがある。
身体の動かし始めに痛み。
身体を後ろに反らすと腰が痛み、両足がしびれる。
前屈みになると症状が治まる。
歩くと腰が痛み、両足がしびれる。
■腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)について
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)とは、神経の通り道の脊柱管が何らかの原因で狭くなり、神経が圧迫されて痛みを引き起こす病気です。
●朝起きた時に身体を反らすと痛みがある(腰部脊柱管狭窄症の特徴)
背中側の腰椎の一つ一つがつながっている関節部分には、関節包(かんせつほう)という袋がついています。
この中には液体が入っていて、関節同士を保護するクッションの役割をしています。
しかし加齢により関節包が固くなってくると、朝起きた時に身体を動かすと固くなった関節包が引っ張られ痛みが生じます。
動く事で一時的に関節包が柔らかくなると痛みが治まります。
これが腰部脊柱管狭窄症の典型的な症状です。
●身体の動かし始めに痛み(腰部脊柱管狭窄症の特徴)
やがて関節包はますます固くなり、関節のつなぎ目も少しズレてきます。
こうなるとただ立ち上がっただけでも腰痛を起こすようになります。
●身体を後ろに反らすと腰が痛み、両足がしびれる(腰部脊柱管狭窄症の特徴)
関節のつなぎ目がズレてくると靭帯が厚くなり、さらに椎間板が変形して飛び出し、脊柱管がより狭くなります。
この状態で身体を反らすと脊柱管は前から後ろから狭まり、神経を圧迫して腰の痛みと両足のしびれを引き起こします。
これが腰部脊柱管狭窄症の最大の特徴です。
●前屈みになると症状が治まる(腰部脊柱管狭窄症の特徴)
前屈みになると一時的に狭まった脊柱管が広がるため症状が治まります。
●歩くと腰が痛み、両足がしびれる(腰部脊柱管狭窄症の特徴)
歩くだけでも脊柱管が狭くなり、腰痛と足のしびれが起きるようになってしまいます。
■腰部脊柱管狭窄症の腰痛予防改善法
イスに浅く腰掛け、足を肩幅ていどに開きます。
息を吐きながら、両手で足の甲をつかめるまで上半身をゆっくり倒していきます。
この状態を5秒間キープします。
このストレッチで背骨周りの筋肉や関節包が伸ばされます。
息を吐きながらゆっくり起き上がり、両腕を高い位置で後ろに引きます。
この状態を5秒間キープします。
腰は反らさず胸を突き出すイメージで行います。
元の姿勢に戻ります。
5〜10回を1セットとし、1日朝晩の2セット行うと効果的です。
注意点としては、痛みが出るときは止めて、痛くない範囲で行うことです。
腰痛の症状に加えて、足のしびれや痛み、排尿障害などの症状がある場合は、専門医を受診し診断してもらいましょう。
■腰痛治療の名医(2015年1月時点)
福島県立医科大学医学部 整形外科学講座 教授
大谷 晃司(おおたに こうじ)先生
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