圧迫骨折チェック、骨粗鬆症、原発性副甲状腺機能亢進症

骨粗鬆症は骨密度が低下して骨がもろくなることで圧迫骨折しやすくなる病気です。
原発性副甲状腺機能亢進症は副甲状腺に腫瘍ができ骨密度が急激に低下して重度の骨粗鬆症を発症し圧迫骨折を起こしやすくなる病気です。

■骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と圧迫骨折
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨密度が著しく低下して骨がもろくなることで骨折しやすくなってしまう病気です。
骨粗鬆症の最大の原因は加齢で、年を取ると骨が新たに作られにくくなります。
特に女性の場合、閉経によって骨の新陳代謝を促す女性ホルモンが減少し、より骨折しやすくなってしまいます。
その結果、骨に過重がかかる行動がきっかけで背骨が潰れてしまう圧迫骨折を起こしてしまうことがあります。

■圧迫骨折チェック
・痛みの他に胸焼けや胃もたれの症状がある
・身長が3cm以上縮んでいる
・脇腹に指3本以下しか入らない

1とつでも当てはまれば圧迫骨折の疑いがあります。

●症状で圧迫骨折チェック
圧迫骨折を起こしていると腰や背中の痛みの他に、胸焼け、胃もたれ、食欲不振、息切れ、便秘などの症状が起こることがあります。
骨折を繰り返して圧迫骨折が増えると、骨が潰れていくので背中が丸くなってきます。
その結果、お腹の内臓のスペースが狭くなっていき、心臓・肺・胃腸などが圧迫されて胸焼け、胃もたれのような症状が起こります。
特に胃が圧迫され、胃酸が逆流する逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)が起きやすくなります。
圧迫骨折のある患者の約4割に逆流性食道炎見つかっています。

●身長で圧迫骨折チェック
圧迫骨折をすると骨が潰れていくので身長が縮んでいきます。
一番身長が高かったときと比べて2cm縮んだら要注意、3cm以上縮んでいたら圧迫骨折の可能性が高いです。

●脇腹で圧迫骨折チェック
圧迫骨折があると背中が前に曲がってくるので、そのぶん肋骨(ろっこつ)と骨盤の間の隙間が狭くなってきます。
立った状態で肋骨と骨盤の間に手を入れてみます。
正常だと肋骨と骨盤の間に指4本入ります。
指3本以下だと圧迫骨折の疑いがあります。

■圧迫骨折の治療
圧迫骨折は固定していれば1〜2ヶ月で治ります。
圧迫骨折の原因が骨粗鬆症の場合は、骨粗鬆症の治療をすることが最も大切になります。

■原発性副甲状腺機能亢進症(げんぱつせいふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)による圧迫骨折
原発性副甲状腺機能亢進症(げんぱつせいふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)とは、のどの両側に4つある副甲状腺と呼ばれる臓器に腫瘍などができることで様々な症状を起こす病気です。
副甲状腺は副甲状腺ホルモンを分泌することで血液中のカルシウムの濃度を調節する役割をもっています。
しかし副甲状腺に腫瘍ができると副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、骨から大量のカルシウムが溶け出して血液中に流れ込んでしまいます。
すると全身の骨密度が急激に低下し、重度の骨粗鬆症を発症することがあります。
加齢が原因ではないため、通常の骨粗鬆症の治療をおこなっても治らず病気が進行していきます。
どんどん骨がスカスカになっていき、わずかな衝撃で圧迫骨折を繰り返してしまいます。