逆流性食道炎!好酸球性食道炎、食道裂孔ヘルニア、胃もたれ、胸やけ!

逆流性食道炎は胃液が逆流して食道に炎症を起こす病気。
逆流性食道炎の原因には脂っこい食生活とピロリ菌があります。
好酸球性食道炎は食べ物のアレルギー反応で起こる炎症です。
食道裂孔ヘルニアは胃酸が逆流し逆流性食道炎を引き起こしやすくなる病気。
食道裂孔ヘルニアは加齢に伴う穴の緩み、太り過ぎなどが原因。

■食道と胃について
食道の長さは成人で約25cm、太さ2cmほどになります。
食べた物は胃に到達するまで30秒〜60秒かかるといわれています。
胃は筋肉で出来ていて、主な役割は消化です。
約3時間かけて食べ物を消化・分解・殺菌して腸へ送ります。
胃は空腹時は約50mLほどの大きさですが、満腹時には1200mLで約28倍にも膨らみます。
胃の働きにかかせないのが胃液で、1日の分泌量は約2Lにもなります。
胃液の主な成分は塩酸で、胃の壁から胃液が放出され消化活動を始めます。
食道と胃の特徴は様々な症状を感じやすいことです。

■逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)について
逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)とは、胃液が逆流して食道に酸が付着して炎症を起こす病気です。
逆流性食道炎の主な症状は胸やけと呑酸(どんさん)です。
呑酸とは口や喉に酸っぱい液体が込み上げる病状です。
現代人の5人1人が逆流性食道炎といわれています。

■逆流性食道炎の症状
・胸やけ
・胃もたれ
・咳

■脂っこい食生活と逆流性食道炎
逆流性食道炎の原因の一つは脂っこい食生活です。
脂肪を多く摂取すると食道と胃のつなぎ目の筋力が弱まり、逆流しやすくなってしまいます。

■ピロリ菌と逆流性食道炎
逆流性食道炎のもう一つの原因がピロリ菌です。
ピロリ菌は胃酸の力を弱めて粘膜を損傷する悪性の菌です。
ピロリ菌は胃炎や胃癌を起こす要因でもあります。
ピロリ菌の感染者は年輩の人に多く、若い人に少ないとされています。
これは衛生環境が良くなったためにピロリ菌が激減していると考えられています。
しかしピロリ菌がいないと、胃液が出過ぎて逆流しやすくなることもあります。
つまり今後は、ピロリ菌が原因といわれる胃炎や胃癌が減ると予測され、一方逆流性食道炎は増えると考えられています。

■逆流性食道炎の症状悪化の要因
・高浸透圧食(こうしんとうあつしょく):味の濃い物、甘い物
・刺激物:香辛料、アルコール
・お酢や炭酸
・早食い
・食べてすぐに横になる

アルコールは胃の粘膜を刺激しやすくするだけではなく、食欲も増進させてしまいます。
そのため脂っこい食べ物を必要以上に摂ってしまい、逆流性食道炎を悪化させてしまうこともあります。
またアルコールは食道癌になるリスクも高める危険性もあります。
お酒の弱い人が缶ビール1本飲み続けると、食道癌になるリスクが56倍にもなります。
さらに喫煙もする場合は、190倍にも食道癌になりやすくなります。

■好酸球性食道炎(こうさんきゅうしょくどうえん)について
好酸球性食道炎(こうさんきゅうしょくどうえん)とは、胃酸の逆流による食道炎ではなく、食べ物のアレルギー反応で起こる炎症をいいます。
症状が逆流性食道炎と似ているため見逃されやすいとされています。
内視鏡検査を行った人の5000人に1人が好酸球性食道炎といわれています。
薬を飲んだり、生活習慣を改善しても症状が治まらない場合は専門医に相談しましょう。

■食道裂孔ヘルニア(しょくどうれっこうヘルニア)について
食道裂孔(しょくどうれっこう)とは、横隔膜(おうかくまく)に開いた食道を通す穴のことをいいます。
その穴から胃が飛び出してしまうことを食道裂孔ヘルニア(しょくどうれっこうヘルニア)といいます。
食道裂孔ヘルニアは、胃酸が逆流し逆流性食道炎を引き起こしやすくなるといわれています。
食道裂孔ヘルニアは加齢に伴う穴の緩みや、太り過ぎで胃を押し上げてしまうことなどが原因とされています。
食道裂孔ヘルニアは一度なってしまうと元に戻りません。
食道裂孔ヘルニアの症状を抑えるには、食べ過ぎない、食べてすぐに横にならない、脂っこい物やアルコールを控えるなどしましょう。