糖尿病の新診断基準!ヘモグロビンA1c、インスリン抵抗性!

糖尿病の新診断基準!ヘモグロビンA1cが6.1%以上でかつ空腹時血糖値が126以上、随時血糖値が200以上、ブドウ糖負荷後2時間値が200以上のどれかを満たせば1回の検査でも糖尿病と診断されます。

■血糖値
血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度。

■空腹時血糖値
空腹時血糖値とは一般的な健康診断で測定する血糖値で、前日の夕食後から絶食し翌朝測定するものです

■糖尿病の判定基準(空腹時血糖値)
 110未満:正常型
 110〜125:境界型
 126以上:糖尿病型

■空腹時血糖値、随時血糖値、ブドウ糖負荷後2時間値
血糖値は体温や血圧と同じように一定の範囲の中で変動しています。
例えば、朝起きたばかりの空腹の時は血糖値は低く、その後食事をすると血糖値は上がり始めます。
そして30分〜60分でピークに達し、その後下がっていきます。
血糖値はこのように上下を食事の度に繰り返しています。
そのため検査のタイミングで糖尿病の判定が変わってしまいます。
しかも血糖値は食事内容や体調によっても変化します。
判定には空腹時血糖値の他、いつでも測ることができる随時血糖値(ずいじけっとうち)、またブドウ糖液を飲んだ後に測るブドウ糖負荷後2時間値がもちいられます。

■ヘモグロビンA1c
2010年6月までは、検査当日の血糖値によって糖尿病型と診断されると後日検査を行い、再び血糖値が高いと糖尿病と確定されていました。
2010年7月からはヘモグロビンA1cという新しい指標が診断基準に加わりました。
場合によっては1日で糖尿病と診断できるそうです。
ヘモグロビンA1cは別名糖化ヘモグロビンとも言い、ヘモグロビンにブドウ糖がくっついたものです。
ヘモグロビンが砂糖まみれになった割合がヘモグロビンA1cということになります。
高血糖になると多くのブドウ糖がヘモグロビンとくっ付くため、ヘモグロビンA1cの割合が増加します。
この数値は過去1〜2ヶ月の血糖値の平均を反映するため、食事などで変動することがありません。

■糖尿病の新診断基準
ヘモグロビンA1c    6.1%以上でかつ
空腹時血糖値      126mg/dl以上
随時血糖値       200mg/dl以上
ブドウ糖負荷後2時間値 200mg/dl以上

ヘモグロビンA1cが6.1%以上でかつ3項目のうち1つでも該当すれば糖尿病と診断されます。

■インスリン抵抗性
通常、血液中のブドウ糖が増えるとすい臓はインスリンというホルモンを分泌します。
このインスリンが細胞にあるカギを開け、ブドウ糖を筋肉や脂肪などの組織に取り込む働きをしているため血糖値は一定に保たれています。
しかし肥満によって脂肪細胞が増えると、インスリンの働きを悪くするホルモンが分泌され血糖値が下がらなくなります。
これがインスリン抵抗性です。
肥満から糖尿病を発症する主な原因とされています。
日本人は欧米人に比べるとインスリンの分泌量が少ないため、血糖値を下げにくい体質と言われています。
さらには欧米人並みの食生活により身体がその対応についていけないということもあります。

■細小血管障害
高血糖の状態が長く続くと血液中のブドウ糖が血管にこびりつきます。
すると細い血管が詰まり、糖尿病の三大合併症の原因になってしまいます。

■三大合併症
足先のしびれや感覚障害、また重症になると壊疽(えそ)を引き起こす「糖尿病神経障害」
網膜の毛細血管が詰まり、酸素や栄養素が供給されなくなって失明することもある「糖尿病網膜症」
腎臓の毛細血管が詰まることで、ろ過機能が低下し心不全などになる「糖尿病腎症」

■食後高血糖
血糖値の急激な変動が食事のたびに繰り返されると、血管が強いダメージを受けて動脈硬化が促され、心筋梗塞や脳硬塞の危険が高まるとされています。

■糖尿病は早期発見・早期治療が第一
食事と運動で血糖値をうまくコントロールすれば、インスリンを止めることも可能だそうです。
今たとえ正常であっても、暴飲暴食や運動不足が重なれば糖尿病は起こる可能性があります。
糖尿病が起こる前から生活習慣を改めるということが大切です。
年に一度の定期検診を受け、早期発見・早期治療も大切になってきます。