甲状腺(こうじようせん)の異常!バセドウ病 機能低下症!

甲状腺(こうじようせん)の異常!バセドウ病 機能低下症。ホルモンが出過ぎてしまう病気をバセドウ病。ホルモンが少なくなる病気を機能低下症。甲状腺の異常の治療法は薬物療法になります。

■甲状腺(こうじようせん)について
甲状腺はのどぼとけのすぐ下辺りにあり、重さが16〜20g程で大きさが縦上下方向に3〜5 cm程度になり、正面から見ると蝶が翅を広げたような形をしています。
甲状腺は甲状腺ホルモン(T3、T4)という体に必要なホルモンを作っています。

■甲状腺(こうじようせん)の異常により起こる症状
倦怠感、心拍減、動悸、多汗、便秘、イライラ、下痢、不眠、食欲増減、コレステロールの増減、冷え性、記憶力の低下

■甲状腺ホルモンについて
甲状腺ホルモンは特定の器官に作用するのではなく、人間の60兆ある細胞すべてに働く特別なホルモンです。
甲状腺にホルモンを作る指示をしているのが脳になり体全体を統率しています。
脳からこうじようせんに命令が送られると、ホルモンが作られ血管へ送られ血液に乗って全身のすみずみまで運ばれます。
目的の器官にホルモンが到着すると、その器官は適度に働きだします。
ところが甲状腺ホルモンの量が何らかの原因により増えてしまうと、その器官は休みなく働き続けてしまいます。

■バセドウ病
甲状腺ホルモンが出過ぎてしまう病気をバセドウ病といいます。
こうじようせんホルモンが出過ぎてしまうと、心臓が働いて動悸を起こしたり、腸の調子が良くなりすぎて下痢を起こしたり、脳に働きすぎるとイライラしてしまい、筋肉などに作用すると多汗になり、エネルギーがたくさん使われるので体重が減ったりします。

■機能低下症
甲状腺ホルモンが少なくなる病気を機能低下症といいます。
こうじようせんホルモンが少なくなると、心臓の働きが低下して心拍減を起こしたり、腸に届かなくなると便秘になり、脳に届かなくなるとボーッとしたり、筋肉に届かなくなると冷え性になり、エネルギーが使われなくなるので体重が増えたりします。

■甲状腺異常検査
FT4:血液の中に流れている甲状腺ホルモンの量
   基準値範囲は0.80〜1.60ng/dl

TSH:脳からの甲状腺に対する命令のホルモン量
   基準値範囲は0.20〜4.50

■免疫と甲状腺
免疫は通常体に入って来る病原体を攻撃してくれますが、甲状腺を攻撃してしまうことがあります。
免疫が甲状腺を攻撃してしまうと甲状腺は脳からの命令だと勘違いして甲状腺ホルモンを作ってしまいます。
機能低下の時に免疫が甲状腺を攻撃すると甲状腺が傷ついて弱りホルモンを作れなくなっていきます。
すると脳からの命令(TSH)は増えるばかりになります。

■甲状腺の異常の治療法
甲状腺の異常の治療法は薬物療法になります。
免疫作用の様子をみながら薬の量などを変えて治療していきます。
2年間の治療で3割ほどの人が薬を使わなくても普通の生活が出来るようにまで回復します。
残りの人も薬の治療を続けていけば普通の生活にはまったく支障はないそうです。
機能低下の場合は甲状腺ホルモンが足りないので、これを合成した薬で補助するという治療になります。

■甲状腺とコレステロール
コレステロールは細胞を作るための材料なのでどんどん細胞に取り込まれていきます。
しかし機能低下症になるとこの細胞の活動自体が低下してしまうので、コレステロールを取り込む活動も低下してしまいます。
結果、行き場がなくなったコレステロールで血液中が溢れかえってしまいます。
この状態が続くと心臓病や脳卒中になる可能性が非常に高くなります。

■甲状腺異常を起こしやすい人
・女性の方
女性の方が男性に比べ5〜10倍多くなります

・ストレス
免疫が作用してしまうため

・出産
出産すると20人に1人が甲状腺機能の異常を起こしてしまうそうです

・花粉症の人
花粉症の免疫が働くとバセドウ病の免疫も働いてしまうため

■甲状腺異常チェック
●バセドウ病

・動悸
・汗が出る
・イライラ 不眠
・食欲があるのに体重減少
・コレステロールの低下

●機能低下症
・倦怠感
・冷え性 皮膚の乾燥
・便秘
・記憶力の低下
・食欲がないのに体重増加
・コレステロールの上昇