猫背が身体の不調の原因になる、正しい姿勢で腰痛・肩こり・頭痛を改善、正しい座り方

猫背は見た目の問題だけでなく様々な不調の要因となります。
猫背は腰痛・肩こり・背中の痛み・頭痛・眼精疲労・認知症の原因ともなります。
猫背は長年のクセになっているので正しい姿勢のクセをつけることが大切になります。

背骨は本来緩やかなS字カーブを描いています。
猫背は骨盤が本来の位置より後ろに傾き緩やかなS字カーブが崩れた状態のことをいいます。
逆に骨盤が前に傾いているのが反り腰で、稀に猫背との複合型もあります。

■猫背の健康への悪影響
猫背は見た目で老けた印象を与えるだけでなく放置すると健康面で大きなリスクが高まります。
猫背は腰痛・肩こり・背中の痛み・頭痛・眼精疲労などにも影響を及ぼします。
また猫背は認知症のリスクも高めることが分かってきました。

■猫背チェック
イスを壁の前に置きます。
壁に向かって座り、つま先とヒザを壁につけた状態で力まずに立ち上がれるかどうかチェックします。
猫背でなければ自然に立てます。
猫背の人は立ち上がるときに重心を前にして立とうとするため立ち上がることができません。

■猫背の人はつまづきやすい
猫背の人は足が高く上がらず、ちょっとした段差でもつまづきやすくなります。
高齢になると骨折や寝たきりにつながることもあります。

■反り腰が原因の猫背
背骨が後ろに傾いているため背中のあたりが猫背の状態になりがちです。
骨盤が前に出ている分、無理をして腰を痛めるリスクが高まります。

■猫背によりリスクが高まる症状
・肩こり
・腰痛
・呼吸が浅くなる
・むくみ
・認知症

●猫背は肩こりのリスクが高まる
猫背は肩の筋肉に大きな負荷を与えています。
猫背は重い頭を背中の僧帽筋で釣り上げている状態になるため肩に大きな負担がかかります。
頭の重さは体重の約1/10と言われ、ボウリングのボールと同じぐらいの重さになります。
正しい姿勢では緩やかなS字を描く背骨が頭を支えているのに対し、猫背の人は首や肩などの筋肉で頭を支えるため、その部位に大きな負荷がかかります。
これが肩こりの要因となります。

●猫背は頭痛・眼精疲労のリスクが高まる
僧帽筋は後頭部までつながっているため頭痛や眼精疲労の要因ともなります。

●猫背は腰痛のリスクが高まる
猫背は腰回りの筋肉にも負荷がかかるため腰痛や椎間板ヘルニアの原因ともなります。

●猫背は呼吸が浅くなる
猫背の人は肺や横隔膜が圧迫されるため呼吸が浅くなります。
すると自律神経にも影響を及ぼしイライラしたり、うつ状態になることもあります。
猫背を改善すると呼吸が深くなり自律神経が安定しメンタル面にも良い影響が出ます。

●猫背はむくみのリスクが高まる
むくみとは血管から漏れ出た余分な水分を静脈などが回収できず溜まってしまった状態をいいます。
猫背の人は呼吸が浅いため静脈の流れが悪く脚がむくみやすくなります。
姿勢が良くなると肺や横隔膜の圧迫が少なくなり呼吸が深くなります。
静脈の血流が改善され、むくみの改善につながります。

●猫背は認知症のリスクが高まる
猫背によって腰やヒザなどに痛みが出ると外出する機会が減少します。
その結果、活動性が鈍り交友関係が狭まり、社会性が失われて認知症につながると考えられています。
2〜4倍くらいの認知症リスクが高まるといわれています。

■正しい座り方のポイント
イスに浅く座ります。
上半身を前に倒します。
お尻を背もたれと座面の角にあてます。
そのまま上半身を起こします。

猫背の人は正しい姿勢をとると痛みを感じることもあります。
その場合は短時間から徐々に慣らすことがポイントです。

■正しい姿勢を保つための筋肉の鍛え方
立った状態でお腹をへこませます。
かかとを数回上下させます。

お腹をへこませることで正しい姿勢に必要な体幹の筋肉をバランスよく鍛えることができます。

■座り過ぎに注意
オフィスワークで起こる不調は座り過ぎが一番大きい原因となります。
基本的に座っているよりは立っている方が血流が良くなり健康には良いそうです。
同じ姿勢でいることがよくないので立って作業をしたり合間にストレッチなどを行うこともよいです。