シアル酸で免疫力アップ、細胞のアンテナの糖鎖を伸ばしウイルスや細菌を察知して退治する

私たちの身体の中では、免疫細胞が体内に侵入してきた細菌と戦い増殖するのを抑えてくれています。
しかし加齢によって免疫機能は衰えていき、高齢になるほど爆発的な細菌の増殖を防げなくなっていきます。
細胞のアンテナともいわれる糖鎖(とうさ)が加齢により短くなると、ウイルスや細菌を察知する働きが低下して免疫力が低下してしまいます。
子持ちシシャモ・鶏卵・タラコなどに含まれるシアル酸には、糖鎖を長くして外敵察知する能力を上げて免疫力アップする効果が期待できます。

■細胞のアンテナが免疫力アップのカギ
細胞にはアンテナのようなものがあり、正常であれば強い免疫力で病気に強い身体を維持することができます。
しかしアンテナの状態が悪くなると免疫力も弱まり、体調不良を起こしやすい身体になってしますと考えられています。
インフルエンザに有効なタミフル薬は、細胞のアンテナに働きかけることでウイルスから身体を守ってくれています。
細胞のアンテナを活性化させることでがん細胞の転移が抑制されたという研究報告もあります。
細胞のアンテナで免疫力がアップできればカゼからガンまで幅広く効果を発揮できると考えられています。

■糖鎖(とうさ)について
細胞のアンテナとは正式名称を糖鎖(とうさ)といい、8種類の糖が鎖のようにつながったものと考えられています。
この糖鎖(とうさ)が私たちの細胞の表面についています。

私たちの身体では1日に数千個のがん細胞が発生していますが、免疫細胞が退治してくれています。
ウイルスや細菌などの外敵も免疫細胞が駆除してくれています。

これまでの免疫力アップとは免疫細胞自体の攻撃力を上げるということでしたが、現在では糖鎖(とうさ)がアンテナの役割をしていて、このアンテナの力を上げることが免疫力アップにつながっていると考えられています。

■細胞のアンテナの働き
免疫力の低下とは、免疫細胞そのものの力が弱まり外敵を貪食(どんしょく)できなくなるというわけではなく、免疫細胞が外敵にあまり反応しないことが原因だと考えられるようになってきています。
細胞のアンテナの働きが低下すると適を見つけられなくなってしまい、それが免疫力の低下につながっています。
がん細胞やウイルスなど様々な異物が体内にいるとき、最初に発見するのが細胞のアンテナの役割です。

通常体内に細菌が侵入すると、侵入した場所に免疫細胞はいなくて普通の細胞がいます。
その普通の細胞のアンテナが細菌の侵入を察知して信号を出し、その信号を周囲の細胞が受信していき他の細胞に送信していきます。
そして骨やリンパと呼ばれる場所の中で待機している免疫細胞のアンテナにも届き、現場に急行して細菌を駆逐してくれます。

■加齢による糖鎖の機能低下
この細胞のアンテナも加齢と共に少しずつ数が少なくなり、長さも短くなってしまいます。
すると危険に対する情報をなかなか受信できなくなり、細胞自体は元気でも外敵を察知できず駆逐できなくなってしまいます。

細胞のアンテナである糖鎖はある程度長くないと免疫力が保てなくなります。
糖鎖が十分長ければ敏感に外敵を察知できますが、加齢と共に短くなってしまうと外敵をなかなか察知できなくなってしまいます。
そのためにがん細胞や細菌を見逃してしまい免疫力が低下につながってしまいます。

糖鎖を長く保てれば健康長寿につながると考えられています。

■細胞のアンテナの機能低下の原因
・ストレス
・喫煙
・睡眠不足

■細胞のアンテナ・糖鎖を長くするポイント
短くなった糖鎖は再び長くできる可能性があると考えられています。
そのためには糖鎖の材料となる糖を食事で摂ることが大切だと考えられています。
食事で糖を補充すれば糖鎖が長くなり、免疫力アップにつながると考えられています。

■シアル酸で糖鎖を伸ばし免疫力アップ
シアル酸とは細胞のアンテナを構成する糖の一種で、アンテナの先端で様々な情報の受信をになっています。
シアル酸が加齢と共に減少し、アンテナの長さが短くなり感度が低下することが外敵への察知能力が低下してしまう一因だと考えられています。
シアル酸を豊富に含む物を摂ると、小腸で吸収されて血液に乗って全身へと運ばれます。
そして加齢で短くなった細胞のアンテナまで到着し、その先端に接着し長くなります。
シアル酸によってアンテナが伸びた分、感度が良好になり外敵への察知能力が向上します。
以前よりも素早く細菌やウイルスに対応できるようになります。
シアル酸はツバメの巣などに多く含まれているといわれています。
シアル酸は人の唾液にも微量に含まれています。
どの食材にシアル酸が多く含まれているかはまだ研究の最中だそうです。

■シアル酸を多く含む食材(現時点で分かっている物)
・子持ちシシャモ(2尾):197mg
・鶏卵(4個):227mg
・タラコ(1腹):180mg

朝食に子持ちシシャモ(2尾)を加えるだけで免疫力アップ効果が期待できます。

■卵類にシアル酸が多い
卵類にシアル酸が多く含まれていると考えられています。
シアル酸は糖鎖の端に付き、外敵から身を守るアンテナの役割を果たしています。
卵は産み落とされると外敵となるウイルスや細菌にさらされます。
そのためあらかじめアンテナとなるシアル酸をたくさん張り巡らせているのではないかと考えられています。